こんにちは。いずみ絵画教室です。
今回は生徒さんの油絵作品をご紹介いたします。

こちらは、印象派の画家・クロード・モネ(1840–1926)の《アルジャントゥイユ近郊のポピー畑》をもとにした模写作品です。
1873年、モネが33歳で制作した作品とされています。

模写(元の絵を見ながら同じように描くこと)には、
・技術の習得につながる
・制作過程を追体験することで鑑賞が深まる
・画家の人生や背景を知るきっかけになる
といった良さがあります。

今回の模写作品では、モネ特有の軽やかな筆運びや色彩の美しさが丁寧に捉えられており、原作の魅力がよく引き出されています。
筆運びがゆっくりになりすぎたり、描写が細かくなりすぎると、原作の軽快さや勢いは失われがちです。
そうした点にも気を配りながら描かれていることが伝わってきました。
今回の模写で得られた感覚や理解は、今後の油絵制作にもきっと生きてくると思います。

せっかくですので、モネという画家について少しご紹介します。

モネは印象派を代表する画家で、《睡蓮》の連作で広く知られています。
19世紀後半から20世紀初頭にかけてフランスで活躍しました。
本作が描かれた1873年頃は、印象派としての活動が本格化していく時期にあたります。
一方、《睡蓮》を繰り返し描くようになるのは1900年前後、60歳頃からで、モネの人生後半に集中しています。

モネは戸外制作(外で直接描くこと)を好み、目の前の光や空気の変化を素早く捉えようとしました。
本作にも、そのスピード感や流れるような筆致がよく表れています。

日本でもモネの展覧会は人気が高く、今年もアーティゾン美術館で開催されました。
私自身も過去に展覧会を観た際、生涯を通じた表現の変遷から、画家としての歩みを強く感じました。

個人的には晩年の作品に特に惹かれます。
白内障による視覚の変化の中で描かれた作品は、形が曖昧になりながらも、強いエネルギーと感情のうねりを感じさせます。

戸外制作による光の探求から《睡蓮》、そして晩年の表現へと至る流れを辿ると、モネという画家の歩みがより深く見えてきます。

この夏も都内でも多くの魅力的な展覧会がたくさん開催されています。
ぜひ気になる展覧会に足を運んでみてはいかがでしょうか。