こんにちは。

みなさんは絵具の色が濁ってしまい、思うように色が作れず困った経験はありませんか?

絵を始めて日が浅い方やお子さんが初めて絵具に触るときなど、絵具に慣れていないと混色に苦労することが多いと思います。

今回は、絵具の色が濁ってしまう原因と、その対処法についてお伝えします。

ぜひ参考にしてみてください。

まずは色相環を覚えよう

色の濁りの問題について話す前に、色のしくみについて理解しておきましょう。

こちらは色相環といいます。

色相環は色を順番に並べてつなげたものです。

まずは色相環の色の順番と配置を覚えておきましょう。

混色をする際に非常に役に立ちます。

色の順番も大切ですが、緑と赤は反対の位置にある、というように位置関係を覚えていくことが重要です。

濁る原因① 色相環上で遠い位置関係にある色同士を混ぜたとき

色が濁る原因としてまず考えられるのは、色相環上で遠い位置にある色同士を混ぜてしまうことです。

位置が近い色同士の混色は濁りませんが、遠くなるほど彩度や明度が低くなります。

そして、色相環上で反対の位置関係にある色同士が混ざるとほぼ無彩色になります。

例えば赤と緑を混ぜると、色はかなり沈んだ黒っぽい色になります。

パレット上で色を混ぜ合わせるときは、色相環上の位置関係を思い出してみるようにしてください。

濁る原因② 3色以上混ぜた時

もう一つの濁る原因は複数の色を混ぜてしまうことです。

特に3色以上混ぜると色が濁る場合が多いです。

例えば、色材の三原色としてシアン(青緑)、マゼンダ(赤紫)、イエロー(黄)があります。

三原色はプリンターのインクにも使われている色で、これらは3色混ぜると黒っぽい色になります。

理論上は三原色があれば全ての色が作れます。

言い換えれば、三原色以外の色は三原色を混ぜることでできています。

だから複数の色を混ぜると、それだけ三原色同士が混ざる可能性が高いため、濁りが生じやすいのです。

また、別の見方でも濁る原因を深掘りしてみましょう。

シアンとイエローを混ぜるたとき、その間の緑系の色ができます。

この緑系の色はちょうど下の図のようにマゼンダの反対の位置にあるため、色相環上の遠い位置関係の色を混ぜることになりますね。

このことからも濁ってしまうことが説明できます。

まとめ 濁った色もうまく使えるようにしよう

最後に、「濁る」というとマイナスな印象を受けますが、「濁った色」=「汚い色」ということではありません。

濁った色は「彩度が低い色」です。

これらはくすんだ色、落ち着いた色といえば印象もよいですよね。

色自体にネガティブな印象を持たない方が、色は自由に使えます。

そして、どんな色も組み合わせ次第で美しい配色となります。

鮮やかな色、濁った色、薄い色など、組み合わせを工夫して絵に活かすようにしましょう。