みなさんこんにちは。

みなさんはご自身の作品を展示した経験はあるでしょうか?

自分の作品を展示してみたいけど、作品に自信がないと感じている方、自分にはまだ展示するだけの実力がたりないと思われている方もいらっしゃるかもしれません。

中には、作品を発表すること自体に必要性を感じていない方もいらっしゃると思います。

しかし作品の展示を通して学べることは本当にたくさんあり、せっかくなら展示を経験していただきたいというのが私の考えです。

そこで今回は展示をすることの魅力や楽しさをご紹介できればと思います。

これを機に、作品を発表してみようと思ってくださる方がいらっしゃれば嬉しいです。

締切が制作を充実させる

展示の形態にはいくつか種類があります。

個展やグループ展、公募展やコンクールなど、作品を発表する形態や内容はさまざまです。

しかし、どんな発表形式にしろ、作品を発表するときには「締切」というものがあります。

締切は、その日までに作品を完成させるという「目標」です。

目標はご自身の制作ペースを考えたり、人に見てもらうことを意識した作品作りにつながります。

そして普段の制作をより充実したものにしてくれると思います。

展示のペースは人それぞれで、慣れている方は頻繁に行う方もいらっしゃるかもしれませんが、制作に無理が出るような締切設定はプレッシャーやストレスになってしまいますので注意してくださいね。

趣味として楽しんでいらっしゃる方は年に一回くらいでもいいので、どこかで発表する機会を作るとよいかもしれません。

発表の機会をもつこと自体が大切なので、作品数はあまり意識しなくてよいと思います。

実際、制作にかかる時間や制作頻度もそれぞれなので、描ける枚数は人によって様々です。

ですから作品の数よりも、定期的に作品を発表していく、ということを大事にしていきましょう。

きっと展示を通して作品を振り返ったり、次の制作のヒントを得られたりできますよ。

自分の作品に対して客観的な気づきが得られる

作品の展示をすることの大きな効果の一つは、自分以外の人に作品を見てもらえることです。

作品は主に自分との対話によって練り上げていきます。

きっとどうしたら自分の作品がよくなるかを制作の中で真剣に考えますよね。

そして自分が一生懸命作ったものだから、作品については自分が一番よく知っていると思う方もいらっしゃるでしょう。

しかし展示をしてみると、それまで自分では気がつかなかった自分の作品の特徴や魅力を鑑賞者から教えてもらえることがあります。

私の話で恐縮ですが、一つ例を紹介してみます。

展示をすると私の作品の雰囲気について「静かな雰囲気」や「穏やかさ」についてご感想をいただくことがあります。

展示のときに温かいお言葉をいただくと、本当にいつも励みになります。

しかし、この「静かさ」や「穏やかさ」という部分について、実は制作の中では自分であまり意識したことがないのです。

これはたくさんの方にご感想としていただいたことで気がつけたことで、無意識に作品から出ている印象のようでした。

「静かさ」や「穏やかさ」と感じていただいている特徴は、むしろ自分としては「明快でなくはっきりしない」とコンプレックスに思っていたくらいです。

しかしこの経験から、自分の作品のよさや可能性は意外と自分では気づきにくいものかもしれないと感じました。

そして、コンプレックスに感じていることが、見てくださる方によっては魅力に映っていたり、共感してくださる部分になりうるということです。

「個性」という言葉を安易に使うことには憚られますが、自分では意識しなくても自然にでてくるところに個性というものは潜んでいるのかもしれません。

作品は全ての人に好意的に受け取ってもらえることはありません。

展示に不安になる気持ちもわかりますが、作品に共感してくださる方はいらっしゃいますので、不安以上の収穫があるはずです。

自分では気がつかなかった魅力を知り、作品を深く理解するために展示はみなさんにとってよい経験となるはずです。

展示の知識と経験が得られる

ところで、みなさんはご自身の作品を額装したことがあるでしょうか。

展示をするときは額装が必要な場合があり、額装によって大きく印象が左右されます。

華やかな額にするのか、落ち着いた雰囲気の額にするのか、モダンな額にするのか‥

額は「絵の衣装」のようなものと以前、額縁屋さんに聞いたことがあります。

よく描けた絵が額によってさらに魅力を増して見えたり、逆に魅力を半減させてしまったり、ということはよくあることです。

額には作品を接触などから守る意味もあるので、できればつけたいものです。

また一方で額による印象の変化をさけたい方や、現代アート系の場合は額装しないこともあります。

額装一つとっても、展示はご自分の作品を鑑賞者にどう見てもらいたいのかという見せ方を考えるよい機会になります。

そして展示に必要な知識は額装だけではありません。

作品同士の間隔や高さなど、作品がもっともよく見えるように空間を工夫することも展示の面白さです。

展示を重ねるたびに、次はこうしてみようという理想が生まれ、よりよい見せ方の知識と経験が得られていくでしょう。

まとめ 展示の経験が作品をよくしていく

きっとほとんどの方が今よりもっとよい作品を作りたいと願っていることと思います。

制作を継続していくと作品の内容は日々前進していきますが、展示をすることでいろいろなフィードバックを得ることができるため、前進するスピードが早まります。

そして温かいご感想をいただいたり、展示した作品を自省したりすることは、充実感と次の作品へのモチベーションにつながることでしょう。

展示については不安なこともあるかもしれませんが、得られる喜びも大きいものです。

展示に早すぎるということはありません。

作品を制作している方はぜひ一度、展示をしてみてはいかがでしょうか。